6月 6th, 2012
カテゴリ: ニュース特報印刷情報ブログ

リョービ-ミヤコシ共同開発の次世代B2判液体トナー方式デジタル印刷機をdrupa2012に出展。コダックとは枚葉ハイブリッド印刷機のグローバル展開で合意を発表

 小森コーポレーションが,ランダ・コーポレーション(Landa Corporation)と提携しただけでなく,コニカミノルタとも提携したのは,前々回の記事で取り上げた通りです。

 同じく日本のオフセット印刷機メーカーであるリョービ株式会社も,また,複数のメーカーと提携して,デジタル印刷機市場に参入していこうとしています。

 リョービは,ミヤコシと共同開発したB2判液体トナー方式デジタル枚葉4色印刷機を「Miyakoshi Digital Press 30NX-8000」の名称で,drupa 2012に参考出品モデルとして,ミヤコシブースにて,初出展しました。

(出典:リョービWebサイトより)

 ミヤコシはdrupa2008において出展したデジタル輪転印刷機において実現していた高解像度の超微粒子液体トナーと電子写真技術を提供,そしてリョービはオフセット枚葉印刷機の製造で培った高速用紙搬送技術を提供し,両社の技術を融合することで,B2判用紙(最大用紙サイズ788×600ミリ,最大紙厚0.4ミリ)で毎時8,000枚の高速印刷を実現(バージョンアップにより10,000枚/時へ対応可)し,このクラスで世界初であるとしています。カラー印刷でも早いのは,HPのインディゴ(Indigo)のように胴が1個だけでなく,CMYK各1個ずつ計4個あるからとしています。
 超微粒子液体トナーを感光ドラムから用紙へオフセット転写させることで,1,200dpiという高解像度で繊細な印刷表現を可能としているとのこと。
 1〜2ミクロンという超微粒子液体トナーは,トナー層の薄膜化が可能で,紙が従来持つ光沢を損なうことなく印刷できるほか,折り加工時の割れの問題も軽減できるというメリットがあるとしています。さらに,超微粒子液体トナーは定着までに必要なエネルギーが少ないこと,圧胴式の「グリッパー用紙搬送システム」の採用によるオフセット同様の見当精度,さらにオフセット印刷機に近い構造の1色ワンタワーの機械構成などが高速化に大きく寄与しているそうです。
 小ロットのカタログ,ポスター,パッケージなどの印刷用途に加え,高品質な大判のバリアブル印刷もターゲットとしており,drupa2012における反応を見極めて,2013年度中を目処に,両社それぞれのブランドで発売する計画である事を発表しています。

 また,リョービは,イーストマン・コダック社とも,昨年(2011年)2月に発表した枚葉ハイブリッド印刷システムのグローバル展開において合意したことを,2012年5月9日に発表しています。

(出典:リョービWebサイトより)

 このハイブリッド印刷システムは,コダックの「Kodak Prosper S5プリンティングシステム」を,リョービのB2判オフセット印刷機「RYOBI750」シリーズに内蔵し,オフセット印刷とデジタル印刷の融合による可変印刷を可能とし,短納期,高品質といった印刷の要望に応えるものであるそうです。
 今回の両社によるグローバル提供は,株式会社小松総合印刷に導入されたRYOBI750にProsper S5を搭載したハイブリッド印刷システムの開発成功を契機に,世界のユーザーから寄せられたシステムへの要求に応えるために実現したものであるとのこと。
 両社が提供する新ハイブリッド印刷は,可変データを印字する高品位な印刷物を生産でき,インラインのニスコーティング(オプション)までを,ワンパスでおこなえるとのこと。
 印刷会社は「別ラインのレーザープリンタで可変データを追加印字する手間が不要」であり,「追加印字するために必要な1〜2日という印刷準備時間の節約」といったメリットがあるとしています。
 また,印刷スピードは毎時最高1万枚であり,RYOBI750シリーズに,Prosper S5を1〜4ヘッドの間で選択して搭載できるとしています。

 また,富士フイルムが,2008年のdrupaに参考出品し,2011年12月から販売を開始した,1200dpi/菊半サイズで独自開発の水性インクとプレコート剤(インクの滲みを抑える下地処理材)を使用したシングルパス方式のインクジェットデジタルプリントシステム『Jet Press 720』の用紙搬送システム部分は,正式な公表はされていませんが,リョービ社製であるとうわさされています。

 リョービとミヤコシが共同開発したB2判液体トナー方式デジタル枚葉4色印刷機は,2013年度に,両社それぞれのブランドとして発売するとしています。また,B2判オフセット印刷機「RYOBI750」にコダックの「Kodak Prosper S5プリンティングシステム」を内蔵したハイブリッド印刷システムも,コダックとグローバル販売するとしています。
 用紙の搬送システムを提供しているだけの場合はよいのでしょうが,ミヤコシとコダックの場合は,提携関係という形であり,ある意味,競争相手にもなります。まったく同じ能力の印刷機同士が競合する場合,価格競争となるのは大変ですし,カラーマネージメント技術とか,どこで差別化することになるのでしょうか。

 ハイデルベルグは,昨年(2011年)に販売提携をしたリコーの電子写真方式のデジタル印刷機を,Linoprint(ライノプリント)ブランドで,「Linoprint C」モデルとしてOEM販売します
ハイデルベルグが新たに開発したワークフローシステム「Prinect Digital Print Manager(プリネクト・デジタルプリント・マネージャー)」の全ての機能を利用できるようインテグレーションしており,効率的な印刷が可能となっているそうです。Prinectワークフローは,他社デジタル印刷機と連携することも可能であるとしながらも,その際には機能が制限されるとしています。ハイデルベルグは,この辺で,差別化しようとしているのでしょうか。